さよならさんかく またきてしかく
なおていです。
新幹線や飛行機に乗るときはついビールを買ってしまいます。車窓からの景色が何よりの肴。
帰国後1週間転勤休暇をもらい、引越しの準備や送別会やらで割と慌ただしくしてました。
金曜日に荷物を送り、土日で東京をフラフラ見て歩き、今北海道に向かう飛行機に乗っています。毎月のように乗っていた羽田-新千歳の飛行機もこれでしばらくお別れかと思うと、少し寂しく感じます。
今まで散々東京について書いてきたけど、今回で多分最後なので、思いの丈を書こうかと思います。
約1年前、初めて北海道から出て東京暮らしを始めた頃、目の前の景色は全て煌めいて見えました。それはちょうど、着陸直前に飛行機から見える夜景のようでした。
でも暮らしてみて、長く暮らした場所との環境の違いや、学生から社会人への生活の変化など大変なことがたくさんありました。
東京という止まることの出来ない生き物のような街、細胞のように働き続ける人々、血液のように動き続ける電車。そして自分もその中の一部だということを突きつけられるような日々。いろいろとしんどいことが重なり、枕を涙で濡らす日もあったりなかったり。
その分、繰り返す日常の中の非日常はより輝いて見えました。渋谷や新宿にふらっと買い物に行くより、名前も知らない街で降りて散策するのが楽しかったし、どんなイルミネーションより夜通し車を走らせて見た朝日が綺麗だった。どれだけ行っても新鮮な場所が尽きないという点では、関東はこれ以上ない場所でした。
合う人には合う場所なんだと思います。ただ、情報に過敏すぎるきらいがある僕にとっては、溢れる人と溢れる情報は、少しずつ僕の心を擦り減らす紙やすりのように感じられました。
離陸する時も東京の夜景は綺麗に輝いていました。その輝きの下には人々の生活があり、喜び、悲しみ、苦しみが渦巻いているということを1年前の自分は知りませんでしたが、今ならわかります。
僕が心に留めている言葉の中に、こんなものがあります。
誰もがそれぞれの地獄を背負っている。
調べたらウェルギリウスという昔の詩人の言葉のようです。
地元の田舎でも、輝く東京でも、そして自ら望んで帰った北海道にも地獄はあるんでしょう。だから僕は、これからも同じように、日常の中の輝く非日常を探したいと思います。そしてこれからは、東京に“旅をする”というのも含まれるはずです。
言葉はさんかく、こころは四角。これだけ書いても思っていることを全て表現できたわけではないけど、きっとそういうものなんでしょうね。まあるい涙はもう出なくなりました。
これからも新しい場所でなんとか生きていきたいと思います。離れた人も近くなった人も、自分が大切に思う人とはずっと仲良くしたい次第です。